150万人もいるB型肝炎キャリア

150万人もいるB型肝炎キャリア

全世界に約3億5,000万人のキャリアー

全世界に約3億5,000万人のキャリアー 現在、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染しているB型肝炎ウイルスキャリアー(保有者)は、全世界に約3億5,000万人居ると言われています。しかし、これは予想される最小限度の数字で感染者が多い国や地域ほど血液検査が実施されていないというパターンですから、実質的なキャリアーはもっと多いことは確実です。
B型肝炎ウイルスキャリアーが多い地域はアジアとアフリカ地域で、人口の8%以上がキャリアーと言われています。しかし、これらの地域では血液検査が浸透していませんから、キャリアーの数がもっと多い可能性もかなりあります。

感染経路は性行為と薬物乱用 これらの国の感染経路は性行為と薬物乱用による経皮的感染が殆どで、これらの地域の不特定多数の人との性的な接触は寿命を縮めることになります。
一方、日本・ヨーロッパ・北米などのキャリアーの比率は、人口の2%以下と言われています。これらの先進諸国に於いては健康診断や献血などの際に血液検査が行われていますから、この数字の誤差は少ないと思われます。

日本のキャリアーは150万人

日本のキャリアーは150万人 現在、日本には約150万人のB型肝炎ウイルスキャリアーがいると言われています。年齢的には40代以上の年齢層の感染率が約1.5%と平均よりも高くなっています。これは、集団予防接種の影響が考えられます。集団予防接種の接種方法は1988年の厚生省通達で改善されましたので、それ以降に生まれた人は集団予防接種による感染は無くなっています。しかし、1970年以前に生まれている40代以上の年齢層の人達は、集団予防接種によってB型肝炎ウイルスに感染した人も少なくないのです。

乳幼児などの低年齢層のキャリアーは0.05% 一方、乳幼児などの低年齢層のキャリアーは0.05%と非常に低くなっています。これは1986年からの厚生労働省の「HBV母子感染防止事業」によって母子感染が無くなり、1988年以降は集団予防接種の注射針や注射筒の使い回しも行わなくなったことで集団予防接種による感染も無くなりました。

中間層である10代~30代の若者層のキャリアーは1%以下 そして、その中間層である10代~30代の若者層のキャリアーは1%以下と多いとは言えませんが、感染経路が性行為と薬物乱用による経皮的感染が考えられる点が気になるところです。そして、我が国では毎年約2万人のペースでB型肝炎ウイルスキャリアーが増加していることを忘れてはなりません。