B型肝炎から劇症肝炎

B型肝炎から劇症肝炎

そもそも劇症肝炎とは?

そもそも劇症肝炎とは? 劇症肝炎の初期症状は急性肝炎と同じで発熱・全身倦怠・食欲不振・吐き気・黄疸・濃い色の尿などの症状が出ますが、劇症肝炎は8週間以内に高度の肝機能障害とそれに基づく脳性昏睡Ⅱ度以上の脳症が表れるのが特長です。

発病後10日以内に脳症による昏睡が発現する急性型劇症肝炎 そして、発病後10日以内に脳症による昏睡が発現する急性型劇症肝炎と、11~60日以内に脳症による昏睡が発現する亜急性型劇症肝炎に分類されます。
つまり、急性肝炎は4週間~8週間で治癒する場合が多いのに対して劇症肝炎は2週間を過ぎても肝機能の悪化がどんどん進行し、それに基づく脳性昏睡が表れます。
通常、急性肝炎では脳性昏睡には成りませんから、劇症肝炎との大きな違いと言えます。
脳性昏睡とは肝臓の解毒作用が働かないために、血液中のアンモニア量が増えて発症する「肝性脳症」を意味します。

劇症肝炎は肝不全を伴って死に至る可能性が高い怖い病気 その後、劇症肝炎は肝不全を伴って死に至る可能性が高い怖い病気で、急性型劇症肝炎の死亡率は約50%で亜急性型劇症肝炎の死亡率は約80%と言われています。

劇症肝炎の原因と治療法

劇症肝炎の原因と治療法 劇症肝炎の原因はウイルスによるものと薬物によるものに分類されます。つまり、ウイルス性肝炎から劇症肝炎に進行する場合と、アルコール中毒から劇症肝炎に至る例が殆どです。そして、ウイルス性肝炎から劇症肝炎に進行するのはB型肝炎からの進行が多いのが特長です。
しかし、何故B型肝炎からの進行が多いのか、或いはどの様なタイミングで肝炎から劇症肝炎に進行するのかなどの詳しいメカニズムは解明されていません。
従って、劇症肝炎の治療法も人工肝補助による血漿交換などの対処療法的な治療が殆どで、劇症肝炎に対する特効薬や確実に完治する治療法はありません。つまり、患者の肝臓の耐久力によって、患者の寿命が決まる構図なのです。

末期の肝細胞癌と同様に肝臓移植しか考えられないのが現状の医学のレベル そして、強いて劇症肝炎の治療法を挙げるとすれば、末期の肝細胞癌と同様に肝臓移植しか考えられないのが現状の医学のレベルです。
従って、B型肝炎キャリアーやB型肝炎患者にとってはB型肝炎感染⇒急性B型肝炎⇒慢性B型肝炎⇒肝硬変⇒肝細胞癌⇒肝不全という恐怖のトレンドとは別に、急性B型肝炎⇒劇症肝炎⇒肝不全という進行ケースがあることも知っておく必要があります。