B型肝炎の再活性化と急性憎悪

B型肝炎の再活性化と急性憎悪

感染後1~2ヶ月で症状が出る場合

感染後1~2ヶ月で症状が出る場合 B型肝炎ウイルスに感染して1~2ヶ月の潜伏期間を経て症状が出る場合があります。大部分の感染者は無症状のままでキャリアーとなりますが、感染者の中の10%~20%程度の人は直ぐに症状が出ると言われています。
多くの場合、初期症状は微熱や全身倦怠や食欲不振程度の軽い症状で、約1ヶ月~2ヶ月で治癒してキャリアーとなります。

一部の人が一気にB型肝炎急性憎悪(急性B型肝炎) 只、一部の人が一気にB型肝炎急性憎悪(急性B型肝炎)に進む場合があります。この場合は初期症状が更に悪化し、黄疸や尿の色が濃い紅茶の様な色に変わります。血液検査によるASTとALT値は、基準値の数倍から10倍程度にまで上昇する場合があります。
更に、B型肝炎急性憎悪を発症した人の中で、稀に劇症肝炎に進行する場合があります。劇症肝炎に進行すると肝不全に至り、死亡率が60%~70%に達すると言われています。

長いキャリアーを経てからの発症

長いキャリアーを経てからの発症 B型肝炎は死に至る非常に恐ろしい病気ですが、一般的には病気の進行のスピードが非常にゆっくりとしているため恐ろしさは余り認識されていません。

20代でB型肝炎ウイルスに感染した人 例えば、20代でB型肝炎ウイルスに感染した人が、全く症状を実感しないままで40代や50代を迎えることは少なくありません。この間、HBc抗体は陰性となり医師から「体内に抗体ができているので発症することはありません」などと言われ、安心した頃に発病することもあるのです。
従って、大事なことはウイルスマーカーの結果やウイルス量はその時の数値であって、時間の経過と共に変化するということなのです。
そして、20代からのキャリアーが40代や50代になってから初めて発症する背景に、遠因がある場合も考えられます。

重症筋無力症やリウマチなどの免疫系の病気の場合 例えば、重症筋無力症やリウマチなどの免疫系の病気の場合に、一時的に免疫の力を弱めるステロイド剤などが処方されることがあります。B型肝炎キャリアーがステロイド剤などを服用した場合、沈静化していたB型肝炎ウイルスが活性化するということも起きています。更に、新しい免疫抑制剤や抗癌剤や分子標的治療薬が、沈静化していたB型肝炎ウイルスを再活性化することが報告されています。